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「またくだらないことばっかりして!」は最高の褒め言葉だと思ってます。
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幸福論
私の幸福は休んでいるのでしょうか。
貴方の幸福は眠っているのでしょうか。
この胸に流れる鼓動が辛辣な波を打つ時でさえ、儚き人々の心、私は知れず。
鏡に映る醜悪な物の怪の正体が何だと言いましょう。
洞窟の暗闇の中を松明も持たずに歩く社会的通念に慣れぬ草臥れ果てた身体。
この自己の欲求に塗れた肉体に宿る精神。
その精神に穢れを感じぬ恐怖を一体誰が笑えると云うのでしょうか。
虚無から誕生する危機的感情が徒党を組んで襲来しては縄抜けの奇術の様に私の中を擦り抜けて往くのです。
その時の私は季節外れの納屋で眠る案山子の様な、或いは役目を終えて地面に転がる抜け殻の様な姿でじっと身を潜め聖者の行進が過ぎ去るのを身悶えながら待っています。
祈ることしか出来ぬ私のこの祈りは一体何処へ届くと云うのでしょうか。
嗚呼、求めるものが多過ぎて、私は石になるしかないのです。
この体が河原に無常に転がる一つの小石ならばどんなに喜ばしいことか。
雨に打たれ日照りに乾き水の流れるままに溺れられたならば。
天に叫びを、地に安らぎを。
誰彼が叫ぶ安価な台詞に閉口する日々の中で自覚した自虐的嫌悪感。
それでも、今朝はカアテンから零れ落ちる朝の光がとても眩しく感じられるのです。
嗚呼、今日も私は此処に生かされていた!
by earll73 | 2009-03-23 21:44 | アレ散文
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