「鈍舞警部!大変です!2月27日、昨晩の未明に『夜』が何者かによって誘拐されました!」
「何だって?!この月末の忙しい時にそんな大事件が起こるとは」
「現在、捜査中ですが、容疑者として浮上しているのは『月』と『星』と『太陽』です」
「取り調べの方はどうなっている?」
「はい、それぞれの取り調べを行ったので報告します」
「うむ。頼む」
「月の奴はこう言ってます」
『太陽の奴がやったんですよ。夜がいなければ24時間ずっと自分が出ていられるから。犯人は目立ちたがり屋のあいつですよ!僕は夜がいなければ困るので僕が犯人なわけないじゃないですか』
「ふむ」
「次に星の言い分ですが、奴は月を疑っているようですね」
『月が怪しいと思いますわ。冬至が近づくとこんなに長い時間働きたくないっていう愚痴をこぼしているのをいつも隣で聞いていましたし。月をもっとお調べになってはいかがですか?』
「ふむ」
「最後に太陽ですが、こいつはアリバイがしっかりとあるんですよ」
『お前には動機があるだろうだって?俺はいつも夜の裏側にいるんだぜ?その俺がどうやって夜を誘拐するんだ?アリバイは完璧じゃないか!俺はやってない!月と星はアリバイがないから犯人はあいつらのどちらかだろ!』
「ふむ」
「それぞれの言い分ももっともだと思いますが、警部はどうお考えでしょう?」
「犯人はホシだ」
「え?これだけで分かったんですか?!さすが警部!」
「うむ、間違いないな。犯人はホシだ」
「その理由をお聞かせ願えませんか?」
「簡単なことだよ。犯人のことをホシと言うじゃないか。だから犯人は星だ!」
「警部、そのホシは目星のホシですよ・・・」
「そうだったか。ふむ、では、この事件は恋愛のもつれから起きた事件かもしれないな」
「それはどういうことですか?」
「犯人は夜のことが好きだった。しかし夜に拒絶されたので犯行に及んだ」
「おぉ、警部にしては初めてまともな意見」
「上司に向かって初めてまともとは何だね。その線ならば、きっと犯人は月だ」
「なぜ月だと?」
「犯人は夜に交際を申し込んだんだろう。付き合いたい。つき合いたい。月合いたい。月。犯人は月だ!」
「最初は凄いと思ったのに結局ダジャレ推理じゃないですか!」
コンコンコン、ガチャ
「失礼します!警部!たった今、太陽が自分がやったと自白しました!」
「何だって?!」
「犯行のあった昨日は雨が降っていたので、太陽の奴を誰も見ていなかったんです。奴のアリバイは崩れました。動機は月の言っていた通りです」
「では、夜を誘拐してどこに隠したんだ?」
「はい、太陽は夜を誘拐しようと追いかけていたようですが、夜は太陽には捕まらず無事に逃げきったようです。誘拐未遂でした」
「そうか、結局太陽は夜に追いつけなかったんだな。無事なら良かった」
「しかし、一つ問題が・・・」
「何だね?」
「太陽が追いかけて夜が逃げたので、日付が1日進んでしまったんです」
「ふむ、幻の1日か」
「これでは2月が1日足りなくなってしまいます。どうしましょう警部?」
「仕方ない、明日は2月29日としよう」
「それと、過去の事件を調べていたら、4年前にも8年前にも太陽は同じような事件を起こしています」
「うるう年は奴の仕業だったのか。4年に1度も同じことを繰り返すなんて太陽は罪な奴だな」
「警部の当たらないダジャレ推理もある意味罪ですよ」
「そんなこと言うかい?(誘拐)」
「・・・」
コンコンコン、ガチャ
「鈍舞警部!大変です!今度は『春一番』が何者かによって誘拐されたとの一報が!」
「何だって?!だから今年はまだ春がこないのか!また冬将軍一味の仕業だろう」
「またあいつらの仕業ですか!」
「早く捜査だ!冬将軍を捕まえないと春は来ないぞ!」