「またくだらないことばっかりして!」は最高の褒め言葉だと思ってます。
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金木犀のパレード
東京は昨日くらいから金木犀がもの凄く香るようになってきましたね。
ということで新作のアレ散文をひとつ。

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街は金木犀のパレードで賑わう季節になって
カムパネルラ通りも甘美な誘惑に包まれている終末の午後
毎年この季節の街は一日中夕暮れ色に染まって何もかもが溶け始める

僕らが出会ったポップアートな海岸線も
ノートの切れ端にスケッチしたヤムヤム公園の噴水広場も
橙空のノスタルジックな心象風景も
焦げ付いたフライパンも色褪せたスーツケースも洗い損ねた洗濯物も
愛も夢も自由も希望も
全てのものが誰に遠慮することもなく溶け出していく
それは野山が新緑に染まる季節にサラサラと流れる小川のような
そんな緩やかで心地よい溶け方をしている

当然僕も君も溶け出しているのだけど
芳しい金木犀の匂いにまみれた君は
アンデルセンの童話の中に出たり入ったり縮んだり伸びたり
世界の終末をまるで大好きなショートケーキを食べるかのように謳歌していた

何時間経ったのかそれとも何秒の世界だったのか
丘の上の時計台の鐘が六つ鳴って
金木犀のパレードが終わりを告げる頃になると
夕暮れ色に染まった街はもう完全に溶けてしまったらしかった

街が溶けてしまった後には鼻を芳す匂いも消え去り
辺りには季節外れの夕凪が無数に彷徨っている
突然の鐘の音に満月の奴も準備不足で三日月のまま駆け上がってくるし
夕暮れ過ぎても暗くならない街に用はないと
公園のベンチで不貞寝をしていた夜までもが起き出してきて
夕闇がジェット機の騒音のような勢いで迫ってきている

街往く人々は皆足元から夕凪に侵食されてしまったようだ
辺りはすっかり夜の支配下に置かれ
パレードがあったことさえ誰の記憶にも残らないのだった

僕と君も例外ではなく
夕凪が爪先から侵食してきてやがて僕らは一粒の種になった
きっと来年の今頃は黄色い花を咲かせるのだろう
カムパネルラ通りがまた夕暮れ色に染まる季節が来れば
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by earll73 | 2007-10-07 23:11 | アレ散文
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